WebARENA SuiteXでサーバーを立ち上げているのですが、アクセス数向上のためにSSL化することにしました。
最初は、WebARENAが提供する「共用SSL」を使って追加のコストの発生を回避したいと考えていたのですが、ドメインが変わることで内部リンクのすべてを書き換えなくてはなりません。サイトを立ち上げる段階なら「共用SSL」という選択肢もありそうですが、すでに大量のファイルが存在するサイトでは、リンク修正のために先が全く見えないほどの時間がかかると思えば現実的な選択肢ではありません。そこで今回は、「共用SSL」の使用を断念し、「独自SSL」としてSSL化することにしました。
「独自SSL」でSSL化するには、サイト独自のSSL証明が必要となります。WebARENA(NTTPC)ではSSL証明を発行していませんので(*!)、外部の業者からSSL証明を発行してもらう必要があります。そのためにコストが発生します。さらに取得したSSL証明をサーバーに設定する作業をWebARENAに依頼する必要があります。ここでもコストが発生します。
SSL証明を取得するために、まずWebARENA SuiteXのサイトマネージャの「Web & FTP管理」-「独自SSL」-「CSR・秘密鍵の作成」から、SSL認証局(業者)に提出するためのCSR(証明書署名要求)を作成します。「CSR・秘密鍵の作成」のページでは、次の項目を設定する必要がありますが、入力フォームにしっかりと説明や事例が書かれていますので迷うことはないと思います。
- 「鍵長」...2048ビット(デフォルト。この項目は変更できません)
- 「コモンネーム」...SSLホームページのURLとして使用される名前
- 「組織名」...今回設定したサイトは会社組織所有のサイトではなく個人サイトなので空白にしました
- 「部門名」...SSLの証明書を使用する部署またはグループの名前。今回設定したサイトは会社組織所有のサイトではなく個人サイトなので空白にしました
- 「国名」...国名。JP(日本)に設定しました(デフォルト)
- 「都道府県名」...都道府県名を半角英字で入力
- 「地域名」...市区町村名を半角英字で入力
「サイトマネージャー」でCSRを作成する
必要項目を入力したら、「作成」ボタンを押します。
しばらくすると、生成されたCSRが記載された次のようなテキストファイルがダウンロードできるようになります。
「サイトマネージャー」からダウンロードしたテキストファイル(取得したCSR)
このファイル中の-----BEGIN CERTIFICATE REQUEST-----から-----END CERTIFICATE REQUEST-----までがCSRです。これをSSL認証局に送ってSSL証明を発行してもらうことになります。それから、WebAREに対して、SSL認証局から取得したSSL証明のサーバー設定依頼を行う際に、このファイル中に記載されている受付番号が必要となりますので、少なくともそれまではこのファイルは大事に保管しておく必要があります。
さて、ここまででSSL認証局にSSL証明を発行してもらうための「CSR」が準備できました。次にどこのSSL認証局を利用するか考える必要があります。今回は「GlobalSign」からSSL証明を取得することにしました。なぜ「GlobalSign」を選んだかと言えば、WebARENAの「独自SSL」の説明のなかに「GlobalSign」の名前があったからという単純な理由からです。少なくとも、取得したSSL証明がWebARENAで設定できないということはないはずです。
「GlobalSign」では、現時点でSSL認証に関して3種類の商品があります。
- 企業認証SSL...59,800円/年 最短即日で発行 運営組織の実在性を認証
- EV SSL...128,000円/年 最短10営業日で発行 世界最高基準の認証 最短10営業日
- クイック認証SSL...34,800円/年 最短2分で発行 書類不要
今回SSL設定するサイトは個人サイトなので「クイック認証SSL」を選択しました。
「GlobalSign」での「クイック認証SSL」申込フォームについては、スクリーンショットなどを撮っていなかったため詳しい説明は省略させていただきますが、入力項目に何を入力すればよいのか迷うような項目はありませんでした。この入力フォームで「CSR」を入力する項目がありますので、WebARENAのサイトマネージャで作成したCSR(-----BEGIN CERTIFICATE REQUEST----- と -----END CERTIFICATE REQUEST----- で囲まれたブロック)をコピー&ペーストします。
申込フォームの最後で、結果(SSL証明書)の受け取り方法の選択があります。今回は、メールでの受け取りを選択しました。
申込フォームでの申し込みが完了してから、わずか数分でSSL証明書を含むメールが届きました。速い!!
「GlobalSign」から届いたメール(取得したSSL証明)
取得したSSL証明をサーバーに設定する作業をWebARENAに依頼します。それには「サイトマネージャ」の「WEB & FTP管理」-「独自SSL」-「SSL設定依頼(証明書提出)」のフォームを使います。
このフォームでは、次のような項目を入力します。
- アドミンアカウント...admin@IPアドレス
- お客さま名...法人の場合は法人名
- 使用ドメイン名...SSL証明書を設定するサイトのドメイン名
- SSL用 KeyPair 受付番号...CSR生成の際にダウンロードしたテキストファイルに記載されている受付番号
- 認証サービス会社...SSL証明書取得の際に利用した認証サービス会社
- SSLサーバID (証明書)
- 認証局(CA)の証明書
- メールアドレス...WebARENAからの受領メールなどを受け付けるメールアドレス
- 備考
ここで問題に遭遇。「GlobalSign」から届いた証明書は以下の三種類です。
- 証明書 RSA/SHA-256
- 中間証明書
- 証明書+中間証明書(PKCS7形式) RSA/SHA-256
これに対し、「SSL設定依頼(証明書提出)」のフォームでは「SSLサーバID (証明書)」と「認証局(CA)の証明書」を要求されます。WebARENAに質問したところ、「SSLサーバID (証明書)」 には「証明書 RSA/SHA-256」を、「認証局(CA)の証明書」には「中間証明書」を設定すれば良いことがわかりました。つまり、「GlobalSign」のいう「中間証明書」とは「認証局(CA)の証明書」の事らしいです。
WebARENAにSSL証明書の設定を依頼すると「SSL設定手数料」(8,000円 税別)がサーバー設定が完了した翌月の請求に合算されます。
SSL化の知識の乏しい状態から、WebARENAのサイトの説明を頼りに「CSR作成」(WebARENAのサイトマネージャ)→「SSL証明書の取得」(GlobalSign)→「サーバーへのSSL証明書の設定」(WebARENAのサイトマネージャ)と作業を進めて来ましたが、(証明書設定に関する質問の時間を除けば)おおよそ1時間ほどで作業が完了しました。
*1 2019年8月5日の時点で、WebARENAでは「シマンテックウェブサイトセキュリティ」や「GlobalSign」からSSL証明を取得する作業を代行するサービスがあります。このサービスを使えば、SSL証明取得料金、またはSSL証明設定料金が割引されます。今回は急いでWebAREAの説明を斜め読みしたため、見逃していました。これに気づいていればもっとコストを抑えられたのにと後悔しています。次回はこのサービスを利用するつもりです。